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山猫

2009.09.12 *Sat
Il Gattopardo
トマージ・ディ・ランペドゥーサ 著
イタリア
小林惺 訳
岩波書店

映画:『山猫』

1860年、統一戦争に揺れるイタリア。山猫の紋章を掲げるサリーナ公爵ドン・ファブリーツィオは新時代の到来を感じ、自分こそサリーナ家の最後の人間になってしまうことを理解していた。そんな中、才気溢れる公爵の甥タンクレーディと新興ブルジョアの娘アンジェリカが出会い、恋に落ちる。公爵は2人の結婚を後押しするも、そこに滅びの予兆を見出す。


この間BSでやってた映画版をチラ観していたら、なんだか読んでみたくなってしまいました。
原作を読むと、すごく忠実に映像化されたんだなーと思う。

まあ読むより先に観たせいもあるけど登場人物は完全に映画版キャストのイメージで読めました。
バート・ランカスターasドン・ファブリーツィオからはあそこまでの精力を見出せなかったけど(笑)それは私がおこちゃまだからでしょう、そうでしょう。
風呂場のシーンもバイだからとか言ってごめん(…)
原作にあったシーンなんですね。神父がうろたえている理由もやっとわかった。


映画より全編に漂う死・滅びの雰囲気がすごい。濃密にむんむんです。
不快感や嫌悪感を特に感じなかったのはそこにある美学にあてられたからか、映画版の華やかな雰囲気(映画も十分終焉のムードをまとっているけど)が知らず知らずのうちに脳内補完されたからか。
香り立つのはやっぱり『斜陽』と同じものだなあ。


以下若干ネタバレしつつだらだらと


舞踏会はやっぱり映画のほうがいいですね。
でも小説のほうもうざったさ、暑さ、混沌とした感じはよく出ていました。惹かれない…
小説には「その後」が存在するとはね…!
公爵の死の場面は素晴らしい描写でした。
まさに滅びようとしてるのに、活き活きしてるというか。色っぽくさえもあるし。
次元を超えた感じ。「美しい」とかともちょっと違うんだよなあ。

そして最終章。うーん、虚…
貴族・公爵家はドン・ファブリーツィオで終わりだったかもしれないけど、コンチェッタも紛れもなくサリーナ家の女だったてことはよくわかりました。
何よりも品格というか…ちょっと違うかな。
とにかくそんなところが美しく、そんなところで平凡な幸せつかみ損ねた印象。
役立たずの花嫁衣裳(4人の娘中3人が行かず後家ってこの時代すげえ目立ちそう)、朽ちていくベンディコ、全てが無になった老女…映像にされるまでもなく淋しい光景だなあ。


時間はかかったけど、イタリア史プーな私にも楽しく読めました。
統一戦争周辺勉強すればさらにというか比較にならない面白さなんだろうなあとは思うけど今のところその予定なし。

「生の輝かしいドラマを追う作者の筆は、なにがしかつねに死の影を帯びている。
どこからともなく生の歓喜と、そこに忍び寄る死の気配、
この読者を魅了してやまない、エロスとタナトスの絡み合いの物語がやがてその最後の幕を閉じると、
ふかぶかとした喪失感に加えてなぜか私たちは、憧れにも似たしみじみとした懐かしさの情に、すっぽりと包みこまれてしまう」
(p411)
この訳者あとがきに私の言いたいことほぼ全て入ってました。
こんなにつらつら書いといた後でなんですが、要するにそうなんです。
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のぞみ: 怠慢/惰眠/逃避癖




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