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天は赤い河のほとり

2009.02.15 *Sun
天は赤い河のほとり
篠原千絵 著
日本
小学館

中学3年生の夕梨(ユーリ)は受験も終わり、友達以上恋人未満の関係である氷室との仲も順調、優しい家族に囲まれ平凡ながらも幸せな日々を送っていた。ところが彼女の周りで水が少しずつ異様な姿を見せ始めていた。そんなある日、ユーリは水たまりの中から出てきた手に引き込まれ、見知らぬ世界へ連れられてしまう。そこは紀元前14世紀のヒッタイト帝国だった。


ヒッタイト帝国が位置していたのは現在のトルコ共和国でございます。

という理由だけで読み始めました。なんて暇人好奇心旺盛なんだろう自分。
そんな動機は早々に忘れて読み耽っていましたが。
思えばトルコの記憶が呼び覚まされたのはアルザワ編(ユーリたちがパムッカレの温泉入ってましたね)とカッパドキア編ぐらいでした。ハットゥシャ遺跡も見てないし。
ていうか旅行日記がそこまでいってないやハハハ

とにかくとにかく一気読みでしたー。
面白かったです。いろんな意味で。


以下はネタバレともっさり長文ですよ


単行本で一気に読んだせいも大きいけど、全28巻のこの長さでダレずに読ませるのはすごいわー。
一つの問題が解決に至る前に新たな問題が起きる…を繰り返し、皇妃という大問題を抜いても落ち着いている状態がないからかな。
だから気が抜けることなくどんどんページを繰ってしまう。登場人物には気の毒な話ですが(笑)
そして収束もきちんとしてる。
大体の風呂敷はちゃんと畳めてますよね。


テンションが上がってしまうのは鉄から始まる史実とのリンク部分。
もちろん大部分フィクションだろうけど、ちょちょっと出てくる史実と一致した箇所が、説得力を持たせる以上のなんともいえない興奮を呼びます。
ネフェルティティの胸像のエピソードなんかそうですよね。
伏線回収と史実+フィクションの融合がびしっといっててぞくぞく。
史実と一致するところ・相違点に着目したサイトも結構あって楽しいです。

その史実とのリンクに関してはザナンザ皇子泣かされたね…
全然いい目に合わずに死んでしまって(⊃д`)ちょっとあそこで死ぬとは思ってなくてショックでした。
漫画によくある「実は生きてたよ!(でも記憶がないんだ!←オプション)」的展開をどこかで望んでたよ。

死といえばティトやルサファ(こいつにはフェイントかけられた)ももちろん悲しかったんですが、なんといってもウルスラ。
主役をかばって死ぬというのはそう珍しい展開でもないけど、あの合法的な粛々とした手段というのがもう。
タハルカの時もそうだけど、主役が生きていくために胸を張れないこともあったというのが、悲しいけどストーリー的にはすごくいいと思った。
「もっと大きな夢を見てしまった」「同じ夢をずっと一緒に見てゆけるわ」 ううう。

だけど勢いよく読める分余韻をかっとばしてしまうきらいがあるかなあ…
上記のようにあれだけ人が死んでるのに、しかもそれぞれエピソードとしてはいいのにって思うのになんだかさらーと通り抜けてしまう。
のぞみの破綻した感受性の問題を別とすれば、登場人物があまりにも話に沿うからなのかしらとか思ったり。
いやキャラ萌えな展開されるよりずっといいし、本来おはなしとはそういうものだと思いますけど、なんだかもったいない感じ。
大河ロマンと銘打つも人間ドラマというより冒険活劇の色が濃いししょうがないかね。


冒険活劇といえば、ユーリのスーパー人間ぷりに最初はびっくり。
野暮なつっこみをすれば環境に順応するのに数ヶ月はかかりそうなものをすごいよユーリ。
面白いながらもなんだかなあ…と思いつつ彼女の超人ぶりを見守っていましたが、ミタンニはワスガンニで獅子を仕留めたところあたりからもう吹っ切れました(笑)

代わりになんだかなあ視線を注がれるようになったのはヒーロー・カイルだよ。
最初クールな感じだった記憶がありますが、だんだん迷走を始められたな。
そのせいかラムセス株が私の中で急上昇。いい男だ。
出はじめは“戦略的撤退”が多くてなんだこいつ?だったんですけどどんどん男を上げましたね。
エジプトすごいですよね。この物語の時点で第18王朝ってどれだけ歴史があるのか。
つい最近まで忘れられていたヒッタイト(そういえばトロイもそういう感じだよね…一体忘れられた都市いくつあるんだトルコ)に対してこちらはまだ名前が残ってるしね。

話がずれましたが、この男二人の暑苦しいライバル関係も結構好きだったな。
ユーリの身体を通して敵である互いを意識し合うというのも面白い。
その行き着くところがマッパバトルなのがヘナヘナしますが…
ポカーン(゚Д゚)と読んでましたが一体あそこはどういう見方が正しいんだ…
せめて腰巻ぐらい不自然に粘ってたっていいじゃないか。

ラムセスもかっこいいけどイル・バーニもなかなかです。
ドSが香る冷静さと「信用はしてるけど黒い水に操られたら読者にもわからんな」という緊張感がたまらないw
キャラの話ついでに、キックリとリュイ・シャラ…ギャグと解してますけど…いいのかおまいら。
キックリって事が露見するまではリュイと付き合ってるつもりだったんだよね。シャラはそれでいいんか。
元々「ハディと双子」て呼び方あまり好きじゃなかったのに(皇帝であるカイルが侍女に対してそう呼ぶのはありかもしれないけど、姉代わりとまで言ったユーリが言うのはどうでしょう。あまつさえは実の姉ハディまでそう呼んでるよ)これでますます彼女らのアイデンティティがうすーくなった(苦笑)


番外編に対しては話のうまさというより先生あのキャラこのキャラの後日談をありがとう!なテンションで読むべきでしょうね~。
結構もやもやするかも。特に「オロンテス恋歌」。
本編は登場人物みんな自分の責任というものを考えて行動したように思えるのに…
いやその責任を忘れるぐらいの恋、とか先祖の行いのめぐり合わせだとか、そもそも責任まっとうしたら番外編にならねえよとかはわかるんだけど、第一印象がよくないな。
進んで好意的に読んでいけばなかなかのロマンティックストーリー。

そんなわけでオロンテス恋歌、主役2人はあまり好きになれないんだけど、作者が書きたかったという「滅びゆく帝国」の雰囲気は好きだなあ。
あれだけ本編の2人とその周りが必死に作り上げてきたものも、既に孫の代で綻びが生まれてるのがやるせないやね。諸行無常というか。


ちょっと考えるとつっこみどころ満載な話ではありましたが、飽きさせず面白かった~。
それでも、
・どうしてザナンザに黒い水を飲ませないんだ!読者サービス(笑)に努めてる場合じゃないよナキア様!
・絶対ユーリはエジプトでのヅラをかぶり続けていたほうがいいと思う
ことだけは最後に書かせていただきたい。
COMMENT (2)  TRACKBACK (0)  EDIT | 

COMMENT

トルコ旅行記、更新されてますね~。韓国に決まる前はトルコ行きも検討してたんですが、結局流れてしまい・・・。
で、このマンガ、私大好きなんですよ♪
元々「王家の紋章」のパクリときいて「天は~」を読み始めたんですが、えらく展開がスローリーな「王家~」と違って「天は~」は展開が早くて私も一気読みしました。
とにかくすんごい波乱万丈なんですよね。ザナンザやウルスラの死なんて、どうしてこんなにドラマチックなのっと思ったものです。
ユーリをアメリカ人にして、舞台をヒッタイトからエジプトに移した「王家の紋章」も(いまだに完結してないようですが)それなりにお薦めです。こちらでもやはり異邦人の姫がやたらにモテモテだったり、突っこみどころ満載です(笑)
2009/03/16(月) 00:20:19 | URL | リカ #- [Edit
>リカさん
はい、ほそぼそ更新しておりますi-239まだまだ先は長いですがふとしたとき読んでいただければ。トルコは韓国に比べて日にちも取ってしまいますからね~。ぜひリカさんにも生でトルコ見ていただきたいです。
なんと、リカさんもこれ読まれてたんですね!本当に波乱万丈でぐぐぐっと読んでしまいますよね。
王家~とのかぶりっぷりはすごいらしいですね。一方しか読んでいないのでなんとも言えないのですが。完結・28巻でさえ手を出すのに尻込みしていたヘタレには未完・50余巻は高すぎる壁です(苦笑)でも、おすすめですかあ…悶々…
2009/03/17(火) 21:54:07 | URL | のぞみ #aEmTB4nk [Edit

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鑑賞頻度はちびちびです。

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のぞみ: 怠慢/惰眠/逃避癖




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