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ブーリン家の姉妹

2009.01.16 *Fri
The Other Boleyn Girl
フィリッパ・グレゴリー 著
イギリス
加藤洋子 訳
集英社

映画:『ブーリン家の姉妹』

「これでわたしは王妃になるわ」
「わたしはどうなるの?」
「私の侍女になればいいのよ」アンは甘い声で言った。「もう一人のブーリンの娘にね」
(上巻・p356)


新興貴族ブーリン家の娘メアリーが12歳の時、姉アンがフランスからイングランドへと戻ってきた。互いに生まれたときからの対抗意識を抱えながらも、再会の喜びは隠せない。ほぼ同じ頃、王ヘンリーが既に人妻であるメアリーを気に入る素振りを見せる。一族の繁栄のためメアリーは夫と引き離され、王の寵愛を受けるためアンと2人の兄ジョージは彼女を手助けするよう命じられる。


怖!
怖いよ!おんなってこわい!
映画版はハイライトというか、違うものではないんだけど比べ物にならないこの恐怖感。
姉妹どちらとも友達になりたくねー(笑)


以下ネタバレ。長いわよ。


アンの野心の前に隠れがちだけど、メアリーも決して聖女ではなく利己心もある。それが生々しい。
ジョージがアンに腹を立てているのを、心配するふりをしながら内心大歓迎するとか、大人に、母になったことにより慈愛と共に打算も覚えていっているところにぞくぞく。

最後に王に懇願したりアンに会ったりしないところがリアルっちゃリアルだけど、ここまでドロリンだと映画版の“ヒロインなメアリー”のこともなんだか否定できないよ。

映画でも「“もう一人の”ブーリン家の娘」がくるくる入れ替わっていく様を恐れと好奇心とを持って観ていたけれど、こっちでは恐怖半端なくて好奇心どっかいっちまったよ。
メアリーの一人称だからもう一人のブーリン=アン、彼女を妹視点から見た話?とも思ったけどそれより残酷な意味・意図だったのね~。


ヘンリー・パーシーと婚約して利己心の塊の中に芽生えた愛情が打ち砕かれて以降がますますえげつなくなっていくね、アン。
王妃になるというのはウルジーはじめ叔父やら宮廷、しきたりへの復讐の意味もあるのかな。王にさえも。
伯爵と結婚を許されなかった女が王と結婚しようとしてるんだからもう笑うしかないよな。

メアリー視点だから余計アンのことが怖く見えたけど、もし彼女の思いが語られることがあったら見方はどう変わっていたんだろう。
こちらでは魔術や近親相姦が完全無実じゃないと匂わせられていてますますびびりますが…

しかし彼女にはほんっと因果応報という言葉がぴったりね。
そうするとキャサリン王妃は何をしたのよ、という話になるけど。
メアリー王女に対して「もう誰も信じられなくなっているのだろう」のメアリーのモノローグに涙。


知識としてはわかっていても、女が道具にしか扱われていない様というのはきついねー。
姉妹の母は、やっぱり映画では改変されていたのね。
アンの立場が絶望的になってからの見放しっぷりといいひどすぎる!

寵を得よ→子を産め→男子を産め→子に会いたければ…
これじゃ奴隷だよ。
貴族の姫という華やかなワードからは容易に想像しがたい。
ジェーン・シーモアもそうだよね。
ヘンリーを愛していたかなんて知る由もないけれど、手駒として生き、死んだ印象。
ブーリンだろうがシーモアだろうがもはや違うのはスペルだけだなこれは。
彼女を羨ましいとは思わない、というのがこの先のことを暗示するし、まさに宮廷の悲劇を見てきた印象だね。
でも程度の差こそあれ、これがこの時代のスタンダードなんだよね。他国でもきっと。
“平安”と名の付く日本の時代でさえ摂関政治だしね。
うーん、発狂しそう。


ところでここには側室って概念はないんですかね?
側室の子って王位継承権あるよね?
そうすればベッシー・ブラントの息子据えてハイ終了、て気もするけど。
いやそんな簡単じゃないからこうドロドロなんでしょうけど…

エリザベスが男だったら、メアリーが男だったら、アーサー兄王が早世しなければ、アンが男で手腕優れた一宮廷人だったら、女でもパーシーとの結婚が認められていたら、とか、詮無き仮定をどんどんしてしまいます。

なんだかんだ言ってアンはすごいな。本当に王妃になっちゃうんだもん。
母方は名門ハワード家出身とはいえ、ブーリン家って彼女の4代前までは庶民だったとかてのもさっき知ってなお驚きだよ。
名言は「幸せになりたくて王と結婚する人なんていないわ」(上巻・p273)でしょうか。
基本的にピリピリ名言尽くしです。メアリーも負けずにスパイシー。

映画感想の時に「メアリーがキャサリン王妃の前で歌わされたとき、フォローしてくれれば…」云々かいてますが、甘かったね私。
それはフォローではなく視線を奪う、寵を奪う手段だよねアンにとって。ああおっかない。

でもメアリーの「アンに伝えて…」で大分救われた気持ち。
姉妹ってあんなもんなんでしょうか。
上述のとおりアンの真意はわからないけどそうだといいな。
私にも妹いますけど、肉親の情はもちろんありますけど、まず同じ状況には陥らないだろうしよくわかりません…


メアリーの娘キャサリン(みんな名前がかぶりすぎだよ!)がロンドン塔でアンについててあげなくちゃてところはほんわか感動。
ラストでウィリアムが言うまで忘れてたけど彼女とヘンリーってエリザベスといとこでもあり腹違いの姉弟妹なんだよね…
ドロドロだぜ…東海ドラマもびっくり。

いやー怖い話だった。もはやホラー。
フィリッパ・グレゴリー、他の王妃を主人公にした話も書いてるみたいね。
キャサリン・オブ・アラゴンももちろん気になるし、なななんとジェーン・パーカーが主人公のものまで!
思えばこの人も気の毒な人生ぽいよねー。
まあ邦訳が出ない限り私がお目にかかる可能性は相当なさそうです(´-ω-)
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