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2008.06.14 (Sat)

鹿鳴館

鹿鳴館
三島由紀夫 著
日本
新潮社

明治19年。鹿鳴館での天長節夜会を控えたその日、伯爵夫人朝子は侯爵夫人季子より依頼を受ける。侯爵令嬢顕子の恋人である久雄が朝子の夫・影山伯爵の命を狙っている、どうか若い恋人たちのため久雄を思いとどまらせて欲しい――久雄の父が清原永之輔という反政府派のリーダーということを知った朝子は、季子の申し出を二つ返事で承諾する。


華族萌えDE読んでいます。ハハ。
やっぱり言葉遣いがたまらないわ♪
こればかり言ってて頭悪いなと思いつつたまらない。
それでいて、えげつないというか容赦ない台詞の応酬にぞくぞく。
綺麗(すぎる)仮面にどす黒い腹を隠しているようだわ。


『鹿鳴館』含み全部で4編の戯曲入り。以下は作品ごとのネタバレ

【More】



ローズ2鹿鳴館ローズ

特に好きなのは「息子の喪中に母親がワルツを踊るのでございますね」(p98)のくだり。

影山 「隠すのだ。たぶらかすのだ。外国人たちを、世界中を」
朝子 「世界にもこんないつわりの、恥知らずのワルツはありますまい」
影山 「だが私は一生こいつを踊りつづけるつもりだよ」
朝子 「それでこそ殿様ですわ。それでこそあなたですわ」
(p99)

他にもあるんだけど、気に入ったところ引用してるとほぼ全編て勢いでうっとりします。
あと草乃の「裏切りの上に寝そべって、一生を送れるものかどうか、世間の人は危ぶみましょうけれど、私は危ぶみませんわ。だって奥方様のくつろいだお暮らしぶりを、おそばにいてずっと見てまいりましたから」(p64)
ここも相当辛辣だよなあ。怖いわあ。

まさに愛と裏切りの悲劇。
死人は(一応)一人だけど、全員が愛する人を失っているというある意味全滅のラスト。
登場人物たちの仮面と鹿鳴館政治の仮面性がぐさぐさきますな。ぜひ舞台を観てみたい。


ローズ2只ほど高いものはないローズ

鹿鳴館とはまた違った怖さだな〜。嫉妬怖い。
これ昼ドラにして、奥様がもっと面白くひでをいじめたらいいんじゃない。
みんながみんな、自分が一番大好きだね。

同情する気はまったくないけれど、近藤一家がまるごと、あわれ(ノ∀`)
ラストは滑稽でうすら寒くて印象的。
でもそれもひとえにト書きの「云おうようない媚態をあらわして、嫣然と笑う」(p177)という描写があるからで、これを実際演技で表現するのって難しそうだな。


ローズ2夜の向日葵ローズ

君子さんってお人形さんみたいね。
愛らしさというより虚ろな感じでのイメージ。
話してたらイラつきもするだろうけどむしろ怖くなりそう。
私の理解を超えてて。
“無垢な聖女”て評価は聞けばなるほどねと思うけれど、自発的には全く浮かばなかったです…


ローズ2朝の躑躅ローズ

短いながら(からこそ?)余韻が残りますね〜。匂い立つ。
繁様、いいキャラだ。
本人は作中に出てこないけれど、何気に小寺嫁がこの中で一番かわいそうな気もします。
逆に子爵は幸せだよな。死ぬのかよ。

気のせいかマゾヒスティックなエロさを感じる。
きっと小寺が綾様に侮辱されて「ああ…」的な反応をしてるせいだと思うけど、綾様のほうもMくさいんだよな。


久雄といい和雄といい親たちに翻弄されて命まで落として大変気の毒です。
特に久雄は親を恨みながらで救いがないなあ。

とりあえず主役4人のお姫様(おひいさま とお読みください)ぷり堪能いたしました。
今回は華族余熱の関係で鹿鳴館と朝の躑躅をより楽しんだ気がします。

テーマ : 読書感想文 - ジャンル : 小説・文学

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