2008.01.12 (Sat)
輝く日の宮
輝く日の宮丸谷才一 著
日本
講談社
杉安佐子は大学に勤める国文学研究者。『源氏物語』中にはかつて「輝く日の宮」という巻が存在していたのではと考え、専門の19世紀文学に対する研究の傍ら、独自に調べを進めていた。あくまでも趣味の範疇で行われていた調査だったが、とあるシンポジウムに出席したことをきっかけに「輝く日の宮」を復元執筆することになり…
旧仮名遣いが美しい。読みにくいけど美しい。
昔『舞姫』冒頭を “石炭を、ばはや積み果てつ” と読んだ苦い記憶がよみがえるけど美しい。
なんとなく上品な気持ちで読めて心地いいです。単純な自分に乾杯!
その効果か登場人物たちがとても品よさそうに見える。
いや普通にみんな私より生活水準は高そうですが。
「さうでせう」とかのやりとりがとても素敵。
やっぱり言葉遣いは綺麗な方がいいですねえ。
日常で汚い言葉遣いの人を見るとウーンてなってしまいますもんね。
男の人ならともかく大人の女性、とりわけ普段の行動とかスキルについてすごいなと思ってる人がたまに言うとがっかりしちゃうもんな。
私も気をつけよう…じゃねーよこんちくしょうとか疲れてても言わないようにしよう…
脱線したところでお話について。
解説にもあるとおり一読じゃあわからない話ですね。
話題が多岐に渡って、ころころ変わるし。
芭蕉の事とか源氏物語以上に知らないし。そんなに興味もないし…
後半に差し掛かるとわからないなりに加速しましたけどね。
歴史ミステリーハンターみたいですごく面白かった。
安佐子の推理、千年前の道長と紫式部の会話…うっとり。
魅力的な男性の武勇伝から栄華を極めるまで、そこから過去の報いとも言える暗転、さらに子孫の代で末法思想を色濃く漂わせ、靄に包まれたようなオープンエンディング。
ものすごい話だったんですね源氏物語って(今更)
また通して読みたくなってきましたがまたしてもきっと男共にイライラするんだろうなあ(笑)
長いし、ちょっと時期見送りだな。
ちなみに私は輝く日の宮はないんじゃないかと思ってた。
Wikipediaにもありますが、他の巻と名前違うし(これはあまり理由にならなさそうだけど)二度目ということを匂わせる→なんて高等テク!としてたし。
(「雲隠」の手法に大変感動したクチなので)
六条御息所や朝顔の斎院に関しては自分が普通に見落としてたと思ってたしw
でも小説読んでるうちに、ふんふんこっちもありだよなーと納得。
でも結局答えは出ないんでしょうね。
それでも考えたくなるのが人間の好奇心、作品の魅力ってやつですかね。
まさにしてやったりですね。頭のいい人たちですこと。
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