lair

映画とか本とかの感想をぺちゃぺちゃ書いておくところです
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コロー 光と追憶の変奏曲

►2008/06/24 

コロー 光と追憶の変奏曲
国立西洋美術館

コローさんて方を全く知らなかったのでポスターから勝手に人物画の巨匠とかかと思ってました。
風景画の権威?なんですね。

全体的に褪せたようなというかセピアっぽい色使いで、黄昏時の画家って感じ。
温かく柔らかなイメージでした。
『ヴィル=ダヴレー』て絵が好きでした。これは全然黄昏ではないけど。
ヴィル=ダヴレーを描いたのはいっぱいあるようなのでこれだけだと特定できねえよかもしれませんが…作品番号が多分31番のやつです。このへんからご覧ください
深い緑と大きなサイズで本当に森の中にいるような気になる。
このへんからご覧くださいとか書いといてなんなんですが実物とモニターじゃ相当違うなあ。

コローに影響を受けた画家の作品も並べてあるのが面白かったです。
アルフレッド・シスレー『アルジャントゥイユの大通り』、アンドレ・ドラン『アミアン』が影響云々関係なく好き。


でも、やっぱり人物画のほうが私には魅力的だったな。
特にポスターにもなってる『真珠の女』は本家モナリザより美人で好きかも。
すんなりした指がよいです。
額の花冠?の影を真珠と間違えたからこの名を付けられたってそれでいいのかよって感じですが。
その人物が(ハエと間違えた)私じゃなくて良かったね!

あと『エデ』もよかったな。まずタイトルで惹かれたんだけど(笑)
なんでポストカードなかったんだろう…(´・ω・`)

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VAMP!?

►2008/06/22 

VAMP!?
小坂理絵 著
日本
講談社

幼い頃両親と死別し、修道院に暮らす りお。“女地獄”の生活を送る日々だが、ある日行き倒れの美少年を発見。その場に放置するわけにもいかず連れ帰るがりおの部屋で目覚めた彼は…


昔の漫画を探してたらふと目に入った小坂理絵の文字。
あー『セキホクジャーナル』大好きだったなあとか懐古モードになってつい購入してしまいました。
7年前(!)の漫画だそうですがすでに『なかよし』は卒業してたので完全な新作気分。
どうでもいいけど妹がなかよし、私が『りぼん』担当でした。

そうだこの人ギャグが面白いんだよね〜と初めて読むのに懐かしさを覚えながら読んでた。
可愛らしい絵としゃべってる言葉のギャップが素晴らしい。
「いまの邪悪なツラを石膏で固めてシスターのまえに引きずりだしてやりたい!」(p44)過激ですw


微妙にネタバレしそうなので以下隠して

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同室かよ!吸血鬼以前の問題で非常識だろ!てのはご愛嬌かしらね。
きっとりおに指一本でも触れたら…という遠縁の娘システムなんだろう。きっと。
なかよしだからそういう展開になる心配もないし。きっと。
まあそこ言ったらなぜわざわざ女の園にって話だしね。ウフ!

ところでりおが修道院出て行ったのは徹が出て行った2年後なんでしょうか。
ラストの妹出現のところは4年後って書いてあるけど、徹が出て行った時点では「妹が来るのは6年後」て言ってるもんね。
それなら新米(多分)修道女たちがりおを修道女の鑑認定してるのもわかるし。昔を知らないってことで。
と認識してみるとスゲエ!純愛!!
りおはともかく徹は周りにたくさん異性がいるのに!お年頃なのに!少女漫画いいね(笑)!

ところで第2弾・羽純はなぜ修道女を志しているのだろう…
シスター・エリザベートが素敵だった。


くだらないことばかり書いてしまいましたが最終回はうっかり泣きそうでした。
別れのシーンがいくつもあったけどどれもよかった…!
好きだからすぐ追っちゃうよではなくて、それがお世話になった人を心ならずも裏切る行為になってしまうていう葛藤がじわんときますね。
徹との別れに関しても、一人部屋で泣くりおが純愛〜できゅんとしました。
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斜陽

►2008/06/21 

斜陽
太宰治 著
日本
新潮社

いまの世の中で、一ばん美しいのは犠牲者です。(p202)


終戦、昭和20年。没落華族であるかず子の家は当主を失ったこともあり困窮していた。東京の家を売り払い、母と共に伊豆にやってきたかず子は、そこで慎ましく生活を始める。ある日、かず子は戦地で行方不明になっていた弟の直治が生きていたこと、じきに伊豆へやってくること、そして彼が阿片中毒に陥ってることを知らされる。


華族フェア(フェアだったのか!)引き続きで。
感想は一段下げたとこに書くとして、とりあえず萌えで読むもんじゃねえなということはよくわかりました。

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正直、上原さんや直治の苦悩というものは、そこまで迫ってこない。
というか私にはわからないんだ…
それこそ直治の遺書にあったような「あくまでも生き伸びるべきであった」(p187)とか言う側になる気がするんだよねどっちかと言えば。
もうちょっと自分の生活の中で辛酸を舐めたりしないと理解できないんだと思う。

それでもお母さまの“最後の貴婦人”としての姿は素敵だなあ可愛らしいなあと思ったし、“滅びの美学”と形容されるにふさわしい展開には酔えた。
光の中の影・影の中の光を描き出した、みたいに解説で書かれていたけれど、本当そういう色調の画集を観てるようだわ。
あと、女性の一人称が優美だよなー。


ところでかず子の上原さんに対する言動ってかなり怖い…ってそこはスルーしなきゃいけない箇所でしょうか。
1度会ったきりで6年会ってない人に宛てる手紙じゃないよあれ!とか結局本当に押し掛けちゃうのねとか。
あそこまでの行動力は(ほんの少しだけ)見習いたいものです。
自分が受け入れられることとか可愛がられていることとかを疑いなく信じられる感じられるていうのは素直にうらやましい。
もちろん本人の天性もあるだろうけど華族のお姫様だからていうのもきっとあるよな。
だからこそ上原さんも貴族は嫌いで好きなんだろうな。かず子のことも直治のことも。

最後の手紙はとても余韻を残されたな。心憎い。
マイ・コメデアンかあ…
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なんて素敵にジャパネスク 人妻編 1〜6巻

►2008/06/19 

なんて素敵にジャパネスク 人妻編
山内直実 著
氷室冴子 原作
日本
白泉社

小説(原作):『なんて素敵にジャパネスク』

紆余曲折を経、晴れて右近少将・高彬と結婚した内大臣家の瑠璃。大人しく平穏無事な人妻生活を送っていたが、帥の宮という公達が瑠璃にご執心という噂が立ち上り嫉妬する高彬との間がぎこちなくなってしまう。さらに吉野で会った峯男にそっくりな男が目の前に現れて…


原作者の氷室冴子さんが亡くなってしまいましたね。
私はジャパネスクと『碧の迷宮』という未完の作品を読んだぐらいですけど、それでも惜しい人を亡くしたなあというのはわかります。
新聞でたまたま追悼の記事を目にしてしんみり。
とにもかくにもお疲れ様でした。ご冥福をお祈りいたします。


うってかわって漫画の感想。
まず帥の宮編の漫画化自体が待ち望まれていたことだったのでそれだけで嬉しい。
小説の感想のところでもちろっと書いたけど、2巻での高彬の狼藉描写が物足りねえなと思った以外は忠実な漫画化で楽しかった。
厳しいこといえば物足りないと思わせちゃいけない見せ場ではあったはずだけど。

ただ、今回刊行された6巻については、う〜ん…以降に期待?というところ。
仕方がないんだけど2話まるっと登場人物が座って話してるだけ、それを主役が身動ぎせず解説役にまわっている状態が続いているのはきつかったなあ。
絵としてはほとんど動きがなく、台詞・モノローグも長くて入り組んでるのでどうしてもホニャララーと流し読みに近い感じになってしまう。
展開知ってるから余計。

原作に忠実かつ漫画としても面白いって難しいねとつくづく。
次巻はいろいろ動きも起こるだろうし、ラストには変わらぬ期待を抱いています。

扉は27話のかき氷食べてるやつが可愛かったな。

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ボルベール<帰郷>

►2008/06/16 

Volver
ペドロ・アルモドバル 監督
2006年 スペイン 121min

女たち、流した血から、花咲かす。


ライムンダ(ペネロペ・クルス)は娘パウラ(ヨアナ・コボ)と夫パコ(アントニオ・デ・ラ・トーレ)とマドリードで暮らしていたが、ある日突然パコは失業してしまう。数日後、肉体関係を迫ってきたパコをパウラが殺害するという事件が発生。娘を守るために夫の死体を隠すライムンダ。同じ頃、故郷ラ・マンチャから自宅に戻ってきたライムンダの姉ソーレ(ロラ・ドゥエニャス)は、思いがけない人物と再会を果たす。


途中まで「うーん悪くないけど何とも言い難い…あ、でも色彩はすごく綺麗だな」ぐらいの感想だったんですけど終盤ぐっときました。面白かった。
ファンタジーなのかなと思って観てたけど違ったね。生々しい。


以下はほんっのりとネタバレ

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なんといってもペネロペ・クルス熱演だなあ。
いや、熱演は全員でしたけどね。
どうでもいいけど親子似てないよな…なにこのペネロペ引き立て的な
ライムンダについて結構身勝手だなと見てたんだけど、パウラを守るために必死だったんだよねと好意的な視点に変わってました。
ライムンダ・パウラでももちろんだけど、、イレーネ(カルメン・マウラ)とライムンダを見ているといくつになっても子供は子供、母は母なんだなあと強く感じた。
ものすごく郷愁に駆られておかあさあん(ノД`゚)という気持ちになった父の日の夜更け。

『Volver』を歌うシーンはよかったなあ〜。じわじわきた。


ライムンダが墓標を彫っていたというのもなんだかこみあげるものがあったよ。
曲がりなりにも夫だったんだもんね。
埋めたとか処理したとかじゃなくて葬ったに近い感覚だったようで少し救われた気分。

だからといって罪の意識や生活の不安は消えたわけじゃないだろうし、完全なハッピーエンドではない。
それでもなんとなく希望を感じさせてくれるラストでよかった。
「ママ、話したいことが沢山あるの」
この一言を回想するだけでちょっとうるっときそうだ。
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鹿鳴館

►2008/06/14 

鹿鳴館
三島由紀夫 著
日本
新潮社

明治19年。鹿鳴館での天長節夜会を控えたその日、伯爵夫人朝子は侯爵夫人季子より依頼を受ける。侯爵令嬢顕子の恋人である久雄が朝子の夫・影山伯爵の命を狙っている、どうか若い恋人たちのため久雄を思いとどまらせて欲しい――久雄の父が清原永之輔という反政府派のリーダーということを知った朝子は、季子の申し出を二つ返事で承諾する。


華族萌えDE読んでいます。ハハ。
やっぱり言葉遣いがたまらないわ♪
こればかり言ってて頭悪いなと思いつつたまらない。
それでいて、えげつないというか容赦ない台詞の応酬にぞくぞく。
綺麗(すぎる)仮面にどす黒い腹を隠しているようだわ。


『鹿鳴館』含み全部で4編の戯曲入り。以下は作品ごとのネタバレ

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ローズ2鹿鳴館ローズ

特に好きなのは「息子の喪中に母親がワルツを踊るのでございますね」(p98)のくだり。

影山 「隠すのだ。たぶらかすのだ。外国人たちを、世界中を」
朝子 「世界にもこんないつわりの、恥知らずのワルツはありますまい」
影山 「だが私は一生こいつを踊りつづけるつもりだよ」
朝子 「それでこそ殿様ですわ。それでこそあなたですわ」
(p99)

他にもあるんだけど、気に入ったところ引用してるとほぼ全編て勢いでうっとりします。
あと草乃の「裏切りの上に寝そべって、一生を送れるものかどうか、世間の人は危ぶみましょうけれど、私は危ぶみませんわ。だって奥方様のくつろいだお暮らしぶりを、おそばにいてずっと見てまいりましたから」(p64)
ここも相当辛辣だよなあ。怖いわあ。

まさに愛と裏切りの悲劇。
死人は(一応)一人だけど、全員が愛する人を失っているというある意味全滅のラスト。
登場人物たちの仮面と鹿鳴館政治の仮面性がぐさぐさきますな。ぜひ舞台を観てみたい。


ローズ2只ほど高いものはないローズ

鹿鳴館とはまた違った怖さだな〜。嫉妬怖い。
これ昼ドラにして、奥様がもっと面白くひでをいじめたらいいんじゃない。
みんながみんな、自分が一番大好きだね。

同情する気はまったくないけれど、近藤一家がまるごと、あわれ(ノ∀`)
ラストは滑稽でうすら寒くて印象的。
でもそれもひとえにト書きの「云おうようない媚態をあらわして、嫣然と笑う」(p177)という描写があるからで、これを実際演技で表現するのって難しそうだな。


ローズ2夜の向日葵ローズ

君子さんってお人形さんみたいね。
愛らしさというより虚ろな感じでのイメージ。
話してたらイラつきもするだろうけどむしろ怖くなりそう。
私の理解を超えてて。
“無垢な聖女”て評価は聞けばなるほどねと思うけれど、自発的には全く浮かばなかったです…


ローズ2朝の躑躅ローズ

短いながら(からこそ?)余韻が残りますね〜。匂い立つ。
繁様、いいキャラだ。
本人は作中に出てこないけれど、何気に小寺嫁がこの中で一番かわいそうな気もします。
逆に子爵は幸せだよな。死ぬのかよ。

気のせいかマゾヒスティックなエロさを感じる。
きっと小寺が綾様に侮辱されて「ああ…」的な反応をしてるせいだと思うけど、綾様のほうもMくさいんだよな。


久雄といい和雄といい親たちに翻弄されて命まで落として大変気の毒です。
特に久雄は親を恨みながらで救いがないなあ。

とりあえず主役4人のお姫様(おひいさま とお読みください)ぷり堪能いたしました。
今回は華族余熱の関係で鹿鳴館と朝の躑躅をより楽しんだ気がします。
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薔薇空間

►2008/06/10 

ルドゥーテ生誕250年記念 薔薇空間 ―宮廷画家ルドゥーテとバラに魅せられた人々
Bunkamura ザ・ミュージアム

私薔薇って漢字で書けますよ!えっへん!(ウザ
結構混んでました。
客層もマダムが主かと思いきや若い人とリーマンが多かったなあ。時間帯のせいかな。

内装凝ってる気がしたけれどプロジェクター丸出しだとかもう一歩な感じでした(苦笑)
バラの香りが漂ってるのはとてもよかったです。
ダマスク・クラシック&モダン、スパイシー、ティーと微妙に違う4種がどれもきつく漂うことはなくお上品でした。


今回のメインはサブタイトルにも冠されているピエール=ジョゼフ・ルドゥーテという、マリー・アントワネットやナポレオン皇妃ジョセフィーヌのもとでお仕事していたすごい画家さん。
彼による『バラ図譜』という本に収載されている銅版画たちがぎっしり展示されています。

観るその時まで銅版画なんてわからなくて、というか観てからも言われなきゃわからなくてどびっくりです。
なんて繊細!!
花びらというより薄様の布を重ねたような質感。
触ったらさらさら、ふわふわしてそう。

赤いバラのグラデーションはもちろん綺麗だし、黄色も可愛い。
白も浮かび上がる清楚さに威厳さえ感じる。
そんな単色バラたちもよかったけれど、しぼり柄の縦に縞の入ったようなのも可愛かったなあ。
苺のマーブルアイスみたいだった。


図譜というだけあって多くの品種を網羅しているので、一点一点似て非なるバラばかり。
花弁やら花序やら、茎、葉の形や量、棘とほへーこんなにあるんですねと素直に驚きです。
ききバラ、まったく出来る気がしないけれど。
もう現在は存在しない品種とか、○○家の紋章はおそらくこのバラ、とかロマン輝きますね!

一番びっくらこいたのはプロリフェラ咲きという花の中から花が咲く現象。
これ含めて、花ってよく見ると綺麗な反面グロテスクですね。


ルドゥーテの他にはアルフレッド・パーソンズのリトグラフ、二口義雄の水彩画がありました。
このお二方はルドゥーテより輪郭が強くて色みも濃かったです。
個人的な好みはルドゥーテだなあ。幻想的でよろしい。

ラストは齋門冨士男による写真。この方は普段は人物写真を生業としている方みたいです。
サイズでかいし敷き詰められてるしで迫力満点。
絵でもそうだったけれど、やっぱり多弁のが好きだな。
ふわり広がった外側もいいし、ぎゅっとくるくる詰まった中心部も見てて不思議な感覚になる。

絵でも写真でも、黒バラなかったな。これだけ数あるのに。
ぜひ観たかった。
あと、花びらの先が丸まった、いかにもバラ!て感じの上から見るととがってるようなバラがなかったのも少し残念。てこの説明でわかるかしら…



おまけー



太郎が繭劇場に駆けつけてたみたいです→おソース
最初本物だとは思わなかった。10年ぶりぐらいに見たなー。



さわやか。

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コーラス 2006年 11・12月号

►2008/06/06 

コーラス
日本
集英社

漫画雑誌なんて何年ぶりに買っただろう。
いやに軽くて、ああ大人になったんかな自分と思ってたらあれか、紙が変わったのか。

大半連載なのでわからないのも多かったけども、谷川史子の『プリズム』(これは読みきり)、石井まゆみ『キャリア こぎつね きんのもり』、河内遥『空の箱庭』がいい感じでした。
下吉田本郷『万福児』、伊藤理佐『ヒゲぴよ』もキライじゃないw


さて、今回のお目当ては前後編で収録の勝田文『林檎の樹の下で』。

華族制度が残る昭和10年代。伯爵令嬢の極子(きわこ)は池島侯爵との縁談が噂されていたが、彼の高慢さに反感を抱いていた。ある日友人“えん”の父親が主宰するサロンに出入りする貧乏画家・佐野と出会い、極子は彼に惹かれていく。

こんなお話です。
どうでもいいけど侯爵の侯と気候の候って字が違うの初めて知りました。


以下は林檎〜のみの感想。ネタバレで

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まずは扉絵堪能。
前編のカラーも綺麗だけど、後編のモノクロも素敵…
タイトルとか抜くとまた印象がガラリと変わりそうだなあ。
風がどっちから吹いてるのかが気になりますが。
集英社からの既刊の他に、他社から出てる『あのこにもらった音楽』も好評発売中!て書いてあって、太っ腹だなと思ったり(笑)
かと思えば、別にまるまる1ページ使って白泉社の雑誌『MELODY』の宣伝もしてるんだよね〜。不思議だ。


本編について:TOKIMEKI!
ああもうなんでこの人の時代ものってこんなときめくんでしょう。
ご自分の作品に対して照れがあるんだろうなあっていうのは他の作品にも感じてて、それがあの妙な味のある手書き台詞やらに出てるんだろうなって。
時代物になるとそういうのが一部解放されるのかな。
つっこみ手書きは相変わらずだけど。あの場面で「マゾかよっ」て入れるセンスがすごい

ファッションとか言葉遣いとか素敵だなあ。
亀田のご令嬢と口喧嘩するときもそこまで汚い言葉じゃないし。
「おコネ」と「おキー」に笑ったけど。
侯爵の悪口をいう時も「あの方ってば本当にひどいのよ?」今の感覚だと可愛らしくお上品に聞こえてしまう。
こんな時でも「あいつ」じゃなくて「あの方」というのが育ちの良さというか時代の常識というか。
あと、お姉様が極子のこと「きいちゃん」て呼んでるのもなんだかカワイイ。
このお姉様、ちょっと天然ぽいよね。


話に関してはつくりが甘いと言えなくもないけどまあ良し。勝田文だし。
佐野さんの化けの皮がわりとあっさりはがれてしまうのが むむ だけれど、本気で極子に惹かれ始めていて良心の呵責に…て好意的な推測をしてます。
ハンカチ握り締めた時のしょげた顔がいいな。
佐野・本性を現す で極子に襲いかからなかくて本当によかった(昼ドラ的イメージ)
そこからぐすぐす去った極子と侯爵が鉢合わせ→即仲直りとかじゃなくてよかった。
一度極子が「私 無力よ…」てなってくれて。

極子×侯爵はツンデレだな!たまりません。
「あなたをお慕いしていました」はもちろん、「いっそ爵位などなければよかったのに」にきゅんとしました。
ベッタベタな台詞だけど、こんなにムッツリした人が言っちゃうなんて!みたいな。
ああ、転がされている…
お慕いなんてフレーズ、きっと一生言われることないだろうな…言われてもギャグか罰ゲームだと思うよな…
ラスト、極子の来訪を知ってわたわたする侯爵が(・∀・)イイ!
「家令はなんでも知っている」もね、とてもいいです。
さりげなくそういうこと書く人がジーヴス描くっていうのが嬉しい。

悲しいことにお慕い〜の侯爵様のカンバセに印刷の汚れが…!よりによってここかよ…
カッターで慎重にホワイトニング。夜中に何やってんだろ…


ああ、昭和ロマン堪能いたしました。
この間行った庭園美術館、これ観てから行けばよかったかななんて。
まあ展覧会はともかく美術館は逃げないしね。また行きましょう。
あ、前編の扉は前から知ってたんですけど、そこに描いてあった金平糖型?のライトが館内にあったんですよ!発見した時は興奮したなあ。

スピンオフというかシリーズ化していただければ、その度にときめくことにやぶさかではありませんのよ(なんで上目線)
えんさん(この人にもおもしろセンスの魔の手が…フルネーム…)と変な髪形の画家さんとの平民同士だけど格差感じる間柄とかお姉様の若奥様としての生活とか。
主役2人の束の間の侯爵夫妻の生活とかも見たい〜。
ネタ元(多分)極子さんよろしく華族のドンに手籠めにされそうになって侯爵がぶっちぎれればいいのに!とか。ベタ好きな私。というかもはや勝田作品ではない。

それはともかく早く単行本になってほしいです。
他にも未収録作品あるようなのでページ数は足りてると思うんだけどな。
ジーヴスに関しては単行本刊行は結構楽観視してるんですけど、こちらに関してはちょっと心配。
ファンレターとか出して需要をアピールしてみようか。…ファンレターて何書けばいいの?
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ロリータ

►2008/06/04 

Lolita
ウラジーミル・ナボコフ 著
アメリカ
大久保康雄 訳
新潮社
これってアメリカ文学でいいんですよね?

幼い頃の恋人アナベルを忘れられずにいたハンバート。いつからか彼は思春期前の少女―ニンフェットの魅力にとりつかれるようになった。下宿先を探していたハンバートはアナベルの面影を宿す少女ロリータと出会う。彼女の母親シャーロット・ヘイズに気に入られたハンバートは、このヘイズ母娘と暮らすことになる。


いやー進まなかったな〜。
難しくてわけわかりませんでした。
だから登場人物多いのとか呼称ころころ変わるのとか無理なんだってば!(逆ギレ)


ネタバレ含んで続きます。いつもにましてろくでもない感じです

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冒頭からいちいち変態オーラがほとばしっていてむしろ清々しかったです。
「舌のさきが口蓋を三歩すすんで、三歩目に軽く歯にあたる。ロ。リー。タ。」(p14)がなんとなく好き。

ただそんなハンバート氏の変態トークにうんざりすることも度々で、なんだ私、結構変態ポテンシャル低いじゃん、とちょっと安心したり(苦笑)
というか私の個人的な好みが思春期ものから別のものにシフトしているのかも。
危うい少女の複雑で単純な心理とか、以前はああどきどき、て感じだったけど、今はうん〜惹かれないこともないけど…な程度になってきた。ような。

そう、ハンバートはさすがに少女を愛するだけあって老獪なおっさんの中にちょくちょく思春期な一面を覗かせている気がした。
序盤はなぜだか『悲しみよ こんにちは』を読んでいる時と似たものを感じたもん。
いやにキラキラした情景。そして邪魔者の死。
シャーロットが不憫でならない…どうせなら何も知らないまま死ねたらよかったのにね。
ところで自分が魅力的な容貌だということをを常に頭に入れといてねってすごいよな。しかもワキガに痔持ち


ロリータが死んでいることを読了後Wikipediaで知った私。
どんだけ読解力ないんだよと自分につっこんでいたら“はしがき”で言及されているのね。
しかもシラー夫人表記で。そりゃあ私には把握不可能です。うーんニクイ。

終盤は語り手の気は狂ってるわ、数多の人と呼称が飛び交うわでもう脳がパニックです。
とりあえずキルティはしぶとすぎだ。ありえん。
それともハンバートの幻覚かしら。


美しい描写、言葉遊びはなるほど面白い。
といってもわざわざルビふってくれてるところのそのまた一部しかわかりませんでしたけど。
原文で読めたらさぞかし面白いんでしょうね。

「私たちは友人たちに、あたかも文学作品のなかの人物が読者の心のなかで獲得するような性格の固定性をあたえようとする傾向があるようだ」(p399)
主題ではまったくないけど(あ、主題だとか意図だとかこの作品に関してどうでもいいんだっけ?)なんだか納得したくだり。
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相棒 -劇場版- 絶体絶命!42.195km 東京ビッグシティマラソン

►2008/06/01 

相棒 -劇場版- 絶体絶命!42.195km 東京ビッグシティマラソン
和泉聖治 監督
2008年 日本 117min

CINECITTA' CINE4
290s SRD/DTS/SRD-EX


ニュースキャスターが殺された上テレビ塔から吊るされるという事件が発生した。ほどなく衆議院議員片山雛子(木村佳乃)が脅迫され、特命係の杉下右京(水谷豊)と亀山薫(寺脇康文)が護衛に命ぜられる。爆弾で狙われた片山議員だったが特命係の活躍により無事に海外視察へ出立した。一見無関係な二つの事件だったが、右京は同一人物の犯行だと睨む。


次々と二転三転する状況に頭が翻弄されてハラハラドキドキしっぱなし。面白かったですー。
ただ終了後、「中々終わらなかったね」ていうのにも同意(笑)
解決したと思ったら次なる謎というか闇が出て来て。
そこがもちろんワクワクする場所ではあるんだけど多くてね。

水谷豊はかっこいいなあ。
小野田さん(岸部一徳)との密談シーンは何度観てもいいですね。
ってTVシリーズそんなに観ちゃいないんですけどね。
片山雛子せんせいもステキだ。
TV流し見してたとき、たまたま雛子が部下に自殺を暗に指示するシーンがありまして、それがめちゃくちゃ怖かったなあ…


以下はネタバレ

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重いなー。
犯行動機となる事件が、実際の事件をモデルにしたどころの話じゃないぐらいまんまで、これスムーズに製作できたのかなあと妙に勘ぐってしまった。
あまりにもスムーズにいってもそれはそれで問題な気もする。
当時もすごい重い気持ちになったんだよな。

自己責任ていう部分はもちろんあるけども、それは迷惑かけたことに対するあらゆる方面への謝罪だとか、莫大な費用を全額とはいかないまでも一生かけて返済するだとか、とにかく救助後に問われるものだと思うのです。
返済するため生涯ギリギリの生活だとかはそらしょうがない。
助けることない、てちらりそう考えてしまうのは無理ないけれど、それを盾にして国が何もやらないのはおかしいでしょう(水面下で何かやってたのかもしれないけど)。
家族とかがどうにか出来ることならともかく。
自己責任って言った時点で結果は決まってしまうんだからさ。

って、いかにもうざい文になってしまったわ…
もうちょっと賢くなっていかないといけないなあって自戒(いろんな意味で)

風化させることも罪と今回映画を観たことによってはっとした。
いちいち覚えてたら生きていけないてのも正しいと思うけど。
あ、あと映画観てると本当に日本全体で人を殺したんだなあという気持ちにさせられる。
このへんは描き方に因るところも多いと思いたい。
でも、当時映画のような世論というか報道になっていたのはまぎれもない事実。


右京さんが顔をぶるぶる震わせて、御厨さん(平幹二朗)あたりに怒ると思ってたけど今回あの怒りはなしでしたね。
Sファイル公開という解決?の段階までいくのって珍しい気がする。って前述の通りあまり観たことないんだけどさ。
雛子がどういうつもりでファイルを公開したのかはいまいちわからないけれど、あれでまだ救われた気持ち。
本当に父親の鎮魂なのでしょうか。

そういえば、右京さんの紅茶の入れ方って正しいのかしらん。高い位置からじょぼぼぼって。
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I n f o

映画とか本とかについての
つらつらおぼえがきブログです。
なにかひとこと(ツッコミ含)
いただけたらうれしいです。

時代物、欧州とか舞台なのが今のところ好み。
興味持ったらなんでもこいですが
わりと少女趣味な気がします。

のぞみ: ペーペー/怠慢/逃避癖

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