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映画とか本とかの感想をぺちゃぺちゃ書いておくところです
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斜陽

►2008/06/21 

斜陽
太宰治 著
日本
新潮社

いまの世の中で、一ばん美しいのは犠牲者です。(p202)


終戦、昭和20年。没落華族であるかず子の家は当主を失ったこともあり困窮していた。東京の家を売り払い、母と共に伊豆にやってきたかず子は、そこで慎ましく生活を始める。ある日、かず子は戦地で行方不明になっていた弟の直治が生きていたこと、じきに伊豆へやってくること、そして彼が阿片中毒に陥ってることを知らされる。


華族フェア(フェアだったのか!)引き続きで。
感想は一段下げたとこに書くとして、とりあえず萌えで読むもんじゃねえなということはよくわかりました。

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正直、上原さんや直治の苦悩というものは、そこまで迫ってこない。
というか私にはわからないんだ…
それこそ直治の遺書にあったような「あくまでも生き伸びるべきであった」(p187)とか言う側になる気がするんだよねどっちかと言えば。
もうちょっと自分の生活の中で辛酸を舐めたりしないと理解できないんだと思う。

それでもお母さまの“最後の貴婦人”としての姿は素敵だなあ可愛らしいなあと思ったし、“滅びの美学”と形容されるにふさわしい展開には酔えた。
光の中の影・影の中の光を描き出した、みたいに解説で書かれていたけれど、本当そういう色調の画集を観てるようだわ。
あと、女性の一人称が優美だよなー。


ところでかず子の上原さんに対する言動ってかなり怖い…ってそこはスルーしなきゃいけない箇所でしょうか。
1度会ったきりで6年会ってない人に宛てる手紙じゃないよあれ!とか結局本当に押し掛けちゃうのねとか。
あそこまでの行動力は(ほんの少しだけ)見習いたいものです。
自分が受け入れられることとか可愛がられていることとかを疑いなく信じられる感じられるていうのは素直にうらやましい。
もちろん本人の天性もあるだろうけど華族のお姫様だからていうのもきっとあるよな。
だからこそ上原さんも貴族は嫌いで好きなんだろうな。かず子のことも直治のことも。

最後の手紙はとても余韻を残されたな。心憎い。
マイ・コメデアンかあ…
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鹿鳴館

►2008/06/14 

鹿鳴館
三島由紀夫 著
日本
新潮社

明治19年。鹿鳴館での天長節夜会を控えたその日、伯爵夫人朝子は侯爵夫人季子より依頼を受ける。侯爵令嬢顕子の恋人である久雄が朝子の夫・影山伯爵の命を狙っている、どうか若い恋人たちのため久雄を思いとどまらせて欲しい――久雄の父が清原永之輔という反政府派のリーダーということを知った朝子は、季子の申し出を二つ返事で承諾する。


華族萌えDE読んでいます。ハハ。
やっぱり言葉遣いがたまらないわ♪
こればかり言ってて頭悪いなと思いつつたまらない。
それでいて、えげつないというか容赦ない台詞の応酬にぞくぞく。
綺麗(すぎる)仮面にどす黒い腹を隠しているようだわ。


『鹿鳴館』含み全部で4編の戯曲入り。以下は作品ごとのネタバレ

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ローズ2鹿鳴館ローズ

特に好きなのは「息子の喪中に母親がワルツを踊るのでございますね」(p98)のくだり。

影山 「隠すのだ。たぶらかすのだ。外国人たちを、世界中を」
朝子 「世界にもこんないつわりの、恥知らずのワルツはありますまい」
影山 「だが私は一生こいつを踊りつづけるつもりだよ」
朝子 「それでこそ殿様ですわ。それでこそあなたですわ」
(p99)

他にもあるんだけど、気に入ったところ引用してるとほぼ全編て勢いでうっとりします。
あと草乃の「裏切りの上に寝そべって、一生を送れるものかどうか、世間の人は危ぶみましょうけれど、私は危ぶみませんわ。だって奥方様のくつろいだお暮らしぶりを、おそばにいてずっと見てまいりましたから」(p64)
ここも相当辛辣だよなあ。怖いわあ。

まさに愛と裏切りの悲劇。
死人は(一応)一人だけど、全員が愛する人を失っているというある意味全滅のラスト。
登場人物たちの仮面と鹿鳴館政治の仮面性がぐさぐさきますな。ぜひ舞台を観てみたい。


ローズ2只ほど高いものはないローズ

鹿鳴館とはまた違った怖さだな〜。嫉妬怖い。
これ昼ドラにして、奥様がもっと面白くひでをいじめたらいいんじゃない。
みんながみんな、自分が一番大好きだね。

同情する気はまったくないけれど、近藤一家がまるごと、あわれ(ノ∀`)
ラストは滑稽でうすら寒くて印象的。
でもそれもひとえにト書きの「云おうようない媚態をあらわして、嫣然と笑う」(p177)という描写があるからで、これを実際演技で表現するのって難しそうだな。


ローズ2夜の向日葵ローズ

君子さんってお人形さんみたいね。
愛らしさというより虚ろな感じでのイメージ。
話してたらイラつきもするだろうけどむしろ怖くなりそう。
私の理解を超えてて。
“無垢な聖女”て評価は聞けばなるほどねと思うけれど、自発的には全く浮かばなかったです…


ローズ2朝の躑躅ローズ

短いながら(からこそ?)余韻が残りますね〜。匂い立つ。
繁様、いいキャラだ。
本人は作中に出てこないけれど、何気に小寺嫁がこの中で一番かわいそうな気もします。
逆に子爵は幸せだよな。死ぬのかよ。

気のせいかマゾヒスティックなエロさを感じる。
きっと小寺が綾様に侮辱されて「ああ…」的な反応をしてるせいだと思うけど、綾様のほうもMくさいんだよな。


久雄といい和雄といい親たちに翻弄されて命まで落として大変気の毒です。
特に久雄は親を恨みながらで救いがないなあ。

とりあえず主役4人のお姫様(おひいさま とお読みください)ぷり堪能いたしました。
今回は華族余熱の関係で鹿鳴館と朝の躑躅をより楽しんだ気がします。
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アヒルと鴨のコインロッカー

►2008/01/20 

アヒルと鴨のコインロッカー
伊坂幸太郎 著
日本
東京創元社

大学進学のため一人暮らしをすることになった椎名。引越し先の隣人は河崎という独特の雰囲気を持った男だった。不可解な言動を繰り返す河崎に椎名はたじろぎながらも、いつの間にか本屋襲撃に協力させられてしまう。しかも襲撃の目的は一冊の広辞苑だった―。


伊坂幸太郎という作家さん全く知らなかったぜアッハハ(´▽`)ノ
『重力ピエロ』とかの人なのね。読んでないけど。
なぜだか輝く青春ロードムービー☆のようなものを想像していたので、いろいろあれれでした。
能天気なおとぼけものかと。


やっぱりネタがキモらしいので隠しておこう。
いつもに増してネタバレ注意よ!

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いやあ、すっかり騙されたなあ。
種明かしされてはしばしのことに思い当たる。
一応そこで違和感みたいなのを感じてはいるのに結局スルーしてるんだよね。ああ悔しい。
これ映画化ってどうやったのかなあ。ちょっと気になる。


「二年前」はとにかくハラハラというか純粋に怖かった。
「現在」に切り替わるたびにほっとしたよ。

琴美の安否が気になってどんどんページを繰ってしまっていました。
まあ、ほとんど望み薄だったけれどね…(ノд`)
現在のペットショップのシーンで糠喜びしたり。
虐殺じゃないのがせめてもの救いだけどさ…
一人称という生を直接に感じる描写と、すでに過去の人間扱いの表現が交互に来て、すごく心細いような悲しいような気持ちになった。

物語が終わりに近付いて、まず来た感情はびっくり、そして爽やかなシメだったけれどなんとも悲しいお話だね…
一人(麗子さんいるけど)になったドルジはどういう思いで半年生きてたんだろう。
そういう意味では河崎が自殺というのは本当にがっかりだよなー。
神様を閉じ込めて、ドルジはどこへ行ったのかしら。
それは終焉の儀式だったのか、これから悪いことをするための儀式だったのか。

「自分が主人公のつもりだったけれど、実は3人の物語に途中参加したに過ぎなかった」て文にいろいろ思いを馳せてしまう。
いいとか悪いとかではなく、それぞれが物語を持っているっていう事実がなんだかすごいことに感じられるんだよなあ。
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輝く日の宮

►2008/01/12 

輝く日の宮
丸谷才一 著
日本
講談社

杉安佐子は大学に勤める国文学研究者。『源氏物語』中にはかつて「輝く日の宮」という巻が存在していたのではと考え、専門の19世紀文学に対する研究の傍ら、独自に調べを進めていた。あくまでも趣味の範疇で行われていた調査だったが、とあるシンポジウムに出席したことをきっかけに「輝く日の宮」を復元執筆することになり…


旧仮名遣いが美しい。読みにくいけど美しい。
昔『舞姫』冒頭を “石炭を、ばはや積み果てつ” と読んだ苦い記憶がよみがえるけど美しい。
なんとなく上品な気持ちで読めて心地いいです。単純な自分に乾杯!

その効果か登場人物たちがとても品よさそうに見える。
いや普通にみんな私より生活水準は高そうですが。
「さうでせう」とかのやりとりがとても素敵。
やっぱり言葉遣いは綺麗な方がいいですねえ。
日常で汚い言葉遣いの人を見るとウーンてなってしまいますもんね。
男の人ならともかく大人の女性、とりわけ普段の行動とかスキルについてすごいなと思ってる人がたまに言うとがっかりしちゃうもんな。
私も気をつけよう…じゃねーよこんちくしょうとか疲れてても言わないようにしよう…


脱線したところでお話について。

解説にもあるとおり一読じゃあわからない話ですね。
話題が多岐に渡って、ころころ変わるし。
芭蕉の事とか源氏物語以上に知らないし。そんなに興味もないし…

後半に差し掛かるとわからないなりに加速しましたけどね。
歴史ミステリーハンターみたいですごく面白かった。
安佐子の推理、千年前の道長と紫式部の会話…うっとり。


魅力的な男性の武勇伝から栄華を極めるまで、そこから過去の報いとも言える暗転、さらに子孫の代で末法思想を色濃く漂わせ、靄に包まれたようなオープンエンディング。
ものすごい話だったんですね源氏物語って(今更)
また通して読みたくなってきましたがまたしてもきっと男共にイライラするんだろうなあ(笑)
長いし、ちょっと時期見送りだな。


ちなみに私は輝く日の宮はないんじゃないかと思ってた。
Wikipediaにもありますが、他の巻と名前違うし(これはあまり理由にならなさそうだけど)二度目ということを匂わせる→なんて高等テク!としてたし。
(「雲隠」の手法に大変感動したクチなので)
六条御息所や朝顔の斎院に関しては自分が普通に見落としてたと思ってたしw
でも小説読んでるうちに、ふんふんこっちもありだよなーと納得。
でも結局答えは出ないんでしょうね。
それでも考えたくなるのが人間の好奇心、作品の魅力ってやつですかね。
まさにしてやったりですね。頭のいい人たちですこと。

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帝都物語

►2007/11/22 

帝都物語
荒俣宏 著
日本
角川書店

明治四十年、一人の鬼が帝都・東京に侵入した。目的は東京をその髄まで破壊しつくすこと。鬼の名は加藤保憲。鬼がある不幸な兄妹と出会ったとき、千五百年の怨念を背負った帝都破壊は開始された。
いつもにましててけとうv ジブンデヨンデネ!


Q1.この作品読むのに何ヶ月かかりましたか?→約4ヶ月ですテヘペロリ
Q2.どうしてそんなにかかったのですか?→通勤電車で寝まくっていたからです
Q3.なんで寝てしまうのでしょうね?→スケールでかすぎて脳のキャパシティーを超えてしまったからです

やっっっっっと終わった! て感じです。
上記のようになかなか進まない読書でしたが、終盤は「加藤との年越しは避けねばならぬ」の一念でがんがりました。
でも読んだはしから忘れていくし。

もう面白いかどうかとかそういう問題じゃなかったです。
無駄に ストーリーが壮大で登場人物も多すぎて。
明治〜大正のお話だと思ってたのに最後2004年までくるとはね!

実在の人物や史実を絡めてあるのは大変臨場感をもたせますが、いかんせん登場する文豪達の作品は数本しか読んだことないわ近代日本史は(も)からきしだわで大変。
…そういやもうすぐ憂国忌ですね。なんともいえない気分。

恐怖を感じたのは昭和60〜70年代の“開放”云々エピソード。
なんとなーく『20世紀少年』を読んだ時感じた空恐ろしさと通じるものがあるかも。
それ以前になるとわけがわからないのと時代が昔ということでちょっと遠い出来事という印象を持ってしまっています。
すでに読んだ記憶としても遠いしな(´-`)


一番心を動かされたのは学天則のエピソードかも。
それもこの話の感想としてはどうだろうというあたりで隠してつづくよネタバレよ

あ、新装版文庫読む方へアドバイス:
登場人物紹介とまえがきは各巻の冒頭にあるけれど軽くネタバレしてるから先に読まないほうがいいですよ

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トマーゾやらドルジェフやらなんだかすごそうな人たちってそのすごさのわりにさっさと敗れていった感が…
いやドルジェフとの闘いとかはものすごいものもあったけれど、その能力に対してあっけない感じがしたものです。
まあ魔人は加藤一人で十分だよって気もしてたんだけど。

そんなトマーゾが聞いてしまった世界の秘密とか、房子て結局なんなのとかそういった微妙な疑問が残るんですが。
私がバカなだけ?


由佳理は不幸だし、間違っても彼女のような一生を送りたいとは思わないけれど、彼女には兄との恍惚とした時間があれば多分それでよかったわけで、そういう時間はなくもなかったわけで、ハタ目よりかは幸せだったのかなとか思います。
むしろ周りの人が大変そうすぎでした。

その周りの人の一人、雪子ですが、よくあの出生・環境でまともに育ったよね…
幼少期の黒少女っぷりが嘘のよう。
幸田・鳴滝のおじさまのおかげかしら。
鳴滝…本当にかわいそう(ノд`)この話で一番不幸なんじゃないか?

洋一郎はすごい。
何がすごいって清めるつもりで妹をってのがすごい。
どういう発想…凡人には理解不能です…
それが兄心ってもんなんですか?(・ω・`)


恵子はすてきね〜。
凛々しい。聖女。
加藤とのツンデレがよかったです。
でも恵子は戯れにも“加藤恵子”と名乗ったことは一度もないんだよね。
むしろ辰宮を名乗ることも結構あって。
加藤との関係は一般的な夫婦関係とは全然違ったんだろうけど、この辺妙に興味深いなと思いました。

あえて加藤に触れずに終わるんかって感じですが、触れずにっていうより触れられずにっていう方が近い気がします。
やることなすこと果てしなさすぎて。
どんだけ顔長いんだろうねとかどうでもいい疑問だけ残して終わろう(え)


…とにかく、読破したことが大事なんです。きっとそうなんです。

あ、あと死霊を抱き浄化するという桜の扱い方は好き。
上から見られるのを好まない、だからよく墜落事故が起こるとか。
綺麗すぎて不吉っていうか、なんだろうやっぱり桜と死(体)て切り離せない存在なんですかね。
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I n f o

映画とか本とかについての
つらつらおぼえがきブログです。
なにかひとこと(ツッコミ含)
いただけたらうれしいです。

時代物、欧州とか舞台なのが今のところ好み。
興味持ったらなんでもこいですが
わりと少女趣味な気がします。

のぞみ: ペーペー/怠慢/逃避癖

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